認知症介護における注意点

高齢社会となっている現在の日本では、多くの認知症患者がおり、その介護にあたる親族やそれをサポートするヘルパーが存在している。認知症は、原因となる疾患によりいくつかに分類されるが、認知症患者に対する介護を行う上での注意点は共通している。この注意点を踏まえることにより、お互いが良い関係を続けていくことが可能になるだろう。

まず、認知症の介護において考えたいのは「出来ることは任せる」「叱る・指摘・議論をしない」「注意を向けておく」といった内容だ。認知症だからといって身の回りの世話を何でも行ってしまうと、自立性や個人のプライドを傷つけることになる。ある意味、介護する側も認知症患者に頼るという形を取ることで、相手を尊重することにつながる。もちろん、身体の状態や認知症の度合いによって、どうしてもできない事は全力でサポートする必要がある。

「叱る・指摘・議論をしない」については、少々聞こえが悪く感じるが、こちらの意思を伝えることに比重を置くのではなく、相手の意思を汲み取るように意識しようという注意である。叱ったりするような否定的な伝え方ではなく、穏やかな空気を意識した伝え方を心掛けるべきだ。また、「注意を向ける」ということも忘れないようにするべきである。先に挙げたような、認知症患者に対する対応やサポートの方法もそうだが、周りの環境や個人が今どうしたいのかという意思を汲み取るためには、広義ではあるが「注意を向ける」ということが大切である。